毎週月曜日に、一週間の為替相場の動きを振り返り、今週1週間の目安を探そうというバイナリーオプション向け連載為替コラム。

今週は株価と米国債金利、ドル円の関係を示しておきましたのでブックマークしておきましょう。

先週もユーロドルに注目

始値 1.25135 高値 1.27909 安値1.25093 終値1.26225 値幅:0.02816

先週は、通貨も株も上下に乱高下でしたが、皆さんトレードは如何でしたでしょうか?
先週はアノマリー通りの10月相場・荒れる相場となりました。新興市場の株安・通貨安。
7日ドイツ8月鉱工業生産が予想マイナス1.5%に対し結果マイナス4.0%。
9日ドイツ8月貿易収支が予想プラス177億EURに対し結果プラス141億EURと2009年1月以来の大きな下落となりました。

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9月19日を天井に、ドイツの株価は下落基調、先週は5日連続陰線で引けています。(表①:参照)
ショイブレ独財務相は「ロシアへの制裁で独は一番被害を被っている。独経済は弱まっている」発言。
欧州を一人で今まで引っ張ってきたドイツが失速。もちろん、欧州株全般に軟調です。

一方、米国はと言えば、
NYダウは乱高下(月$-17 火$-272 水$+274 木$-334 金$-115)で、手を出すのが恐ろしい状況。

水曜日深夜発表のFOMC議事録で
・ユーロ圏や、日本、中国の経済減速について言及
・ドル高が米経済の一部に悪影響を及ぼし、長期的なインフレ期待が若干低下するかもしれないとドル高について言及。

アジア市場・日本市場もこの動きにつられて大幅軟調で世界株安の週となりました。
これを受けて、金曜日はリスク回避のドル買い・円買いで先週を終えました。
クロス円は円買いで下落、ドルストレートは、ドル買い。ドルと円はドル<円で、円買い。
円が強い、状況的に良くない時合となっています。

また、本邦では、安倍さんがドル高円安牽制。黒田さんがドル高円安容認で、足並みの揃わない、株式市場・通貨市場を混乱させる発言を2週連続行いました。

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※ユーロドル 日足(赤:陽線 青:陰線)

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ユーロドル 週足(赤:陽線 青:陰線)

ユーロドルは、先週のレポートに記載したように、一旦調整での上昇、その後下落となりました。

水曜日深夜のFOMC議事録のドル高牽制、金利引上げに慎重な態度が継続していることが分かり、一旦ドルが売られましたが、世界株安によるリスク回避でドルが買われ週末を迎えた感じです。
結局、一旦はユーロドルは上昇して週足陽線で終わっていますが、先々週の週足高値を上に抜けた状態で週末を迎えることができず、改めてチャート上もユーロ < ドルを示しています。

また週末11日に行われた、24か国の財務相や中央銀行の総裁らが委員を務める「国際通貨金融委員会」が開かれ、
終了後の声明では、世界経済について「回復にはばらつきがあるうえ、想定よりも弱く、下ぶれのリスクが増加している」と懸念を示しました。また、アメリカやイギリスで回復が進む一方で「日本は回復が緩やかでユーロ圏では不確か」と指摘し、ユーロ圏をはじめ各国に成長力を押し上げる構造改革の実行を促しました。
このことから、ファンダメンタル的にもユーロ < ドル であることが明らかです。

また、会議の中で、為替市場で円やユーロに対してドル高が進むなか、アメリカのルー財務長官が「各国は為替相場を政策の目標にしないという約束を守るべきだ」と言及し、「意図的な通貨安の誘導はあってはならない」と牽制をしました。日本の要人の方々もこれでコメントを控えて頂けると良いのですが・・・

さて、トレードについてですが、ドル円やクロス円など円がらみでのトレードをメインでされている方にとっては難しい相場の週だったのではないでしょうか?株価や要人発言での上下、ドル円の下落継続で、Highから入ってもLowから入っても往復ピンタを食らった方が結構いらっしゃったと思います。

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ユーロドル 時間足(赤:陽線 青:陰線)

そんな中、ユーロドルは、比較的チャートに素直な動きだったと思います。先々週末の米国雇用統計が終わり一旦買戻しとなりトレンドライン上(ピンクのラインB)で上昇し、先々週末高値の1.26746(Lowでエントリーすべきポイント)で6日、7日、8日と何度も跳ね返され、その後9日早朝のFOMC議事録公表で大きく上昇、1.27500でもみ合い、1.28000手前で跳ね返され下落。
下落場面でも、3日下値1.25004と9日高値1.27909を結んだフィボナッチ38.2%で一旦止まり、その後また3日の高値を下に切り(Lowから入るポイント)、そして、フィボナッチ61.8%戻しのところでもみ合い先週の相場を終えています。
チャートに素直に、トレンドラインをしっかり引いている方、フィボナッチポイントに気づけた方にとっては、チャンスの大変多い良い週だったと言えるかもしれません。

株価と米国債金利、ドル円の関係

コラム連載を始めて、初めての大幅株安相場ですので、1点ここで抑えておきましょう。

以下に、株価と米国債金利、ドル円の関係を示しておきましたので、しっかりと理解しておきましょう!
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先週末の状況は①~④のどれか分かりますか?正解は④です。株価が下がり円高になっていますね。米国債の金利も下がっています。

一応言えば、国債の金利は買い手が多くなれば、金利は下がります。金利が安くても買いたいという状況です。

米国債は信用度が高いですから、リスク資産から手を引いて、安心な米国債を買いたいという状態です。つまり、リスク回避の状態を示します。

反対に、米国債の金利が上昇している場合は、買い手が減り、買ってほしいから金利が高いという状況です。国債に投資するより、株に投資したほうが儲かるという状態です。つまりリスクテイク(リスクオン)の状態です。

この関係が分かっていると、上昇しようとしているのか、下落しようとしているのかがとても分かりやすいので、是非、取引されるときには今どんな状況なのか見るようにしてくださいね!

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さて、今週ですが、一先ずドルインデックスを見てみましょう。以下のICEのドルインデックスが開示されるようになってから、初めての12週連続陽線という、大変強いドル上昇が一旦先週で終わり、先週は長い下ひげを伸ばした陰線で終わっています。

先週のFOMC議事録により、利上げ期待で今まで上昇したドルですが、ちょっと買うには時期尚早だったことが明らかになった訳ですが、じゃ~相対通貨のユーロを買うかと言えば、買いたいと思わせる理由が全くない通貨です。
結局は、不美人投票でドルが買われるという状況だと思っています。

ただ、投機という面からみれば、売ったものは、買い戻して利益確定させなければなりません。今週はそんな週なのかもしれません。先週からヘッジファンドなどの利益確定の買い戻しが早くも出てきているようで、今週、来週もその流れがどこかで出てくると思われます。ただ、そうは言ってもむやみに利益確定をしてくるわけではないので、何かの材料をきっかっけに動いてきますので、ニュースや指標発表、一番問題の株価に注意を払いましょう。
また、先週同様、チャートに素直にエントリーすることを心がけましょう。

今週のトレードアイデア

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ユーロドル週足を見る限り、大きくドルが買われて下落するようには見えません。先週、先々週のローソク足に横ばいといった感じが伺えます。月曜日は東京が休み、NYも債券市場は休みなので、一先ず欧州株、米国株が先週金曜日下値付近で終わっているので、株価を見ながらの展開が予想されます。皆さんも、DAXやNYダウのチャートを見てみて下さいね。

チャートポイント

下は、先々週金曜日に防戦した1.25がまずポイントとなります。ここでは一旦Highで入ってみましょう。ここを下抜けした場合、1,24500~1.24600が次のポイント。その下が1.24、1.23、そして1.22あたりが三角持合いを下抜けるラインです。今週は大きな材料があれば1.22まで下落の可能性がありますが、ここを下抜けするには、それなりの大きな材料や力が必要だと思います。ですから、この場面では一旦は枚数少なめでHighから入ってみたいと思います。ここを下抜けた場合は、もう次のターゲットは1.20となります。

上は先々週金曜日高値の1.26746でLow。ここを上抜けた場合は1.27、1.27400、1.27600がポイントとなります。
この上は9日高値の1.27909、そして1.28となります。