管理人さん

為替相場の動きをニュースが伝える時に欠かせないのが日経平均株価という単語です。

2019年現在、基本的には日経平均株価が下がればドル円も下がる傾向にあります。

つまり日経平均株価が下がれば、円は買われるという事です。 何故でしょう?日本の企業の株価が上がる=景気が良くなるという事は、円の価値も上がりそうに感じるのですが・・

このページでは、初心者向けに疑問が解決するよう解説していきます。

日経平均株価とは

日経平均株価とは

日本の株式市場の相場の動き全体を読み取る指標のことで、東証第1部に上場している中から選ばれた225銘柄の平均株価をあらわしているものです。 (日経225や日経ダウという呼び方もされて混乱しますが、同じです)

例を挙げると、日本を代表する企業である、トヨタやソニー等(最近だとファーストリテーリング(ユニクロの会社)の動きをよく耳にします)、225社の株価の平均値です

株価の平均値なので、日本の景気が良いのか悪いのか?の指標になるのは理解出来たと思います。

為替との関係~連動するのは何故~

株価と為替どちらが先、ということは言えないのですが両者は常に連動して動いています。

株をやってる人は「為替につられて株価が動いた」という事があり、FXをやっている人は「株が上がったからドル円が動いた」と常に言っているので鶏が先か卵が先かという話にもなりがちです。

ここでは例として、円安を起点に考えてみましょう。

円安になると、輸出企業にはメリットと考えられています。 外国にとって日本製品が安く買えることになるので、日本は製品を売りやすい。そして商品を売って得られたドルを円に換えたときには、より多くの円が得られることになります。

円換算したときの売上と利益が上昇するということは、企業の業績が上がるということになります。 業績が良くなると、その会社の株を買おうとする投資家も増えるため、株価が上がります。

また、直接は輸出に関わっていないとしても、株価が上がった関連企業の株価もたいてい連動して上がります。

この動きが、「日経平均株価」を押し上げることになります。

株が下がったら円が買われるのは何故か

上の解説では初心者向きではなかったかもしれません。

やはり、株価が上がれば円の価値も上がると考えたくなるものです。

笑い飯の哲夫さんの勉強法である、「そこは逆」で、覚えておくのも一つの手ですがもう少し考察してみます。

海外投資家が株とセットで円も売買するから逆になる

現在の株式マーケットでは、外国人投資家の比率が非常に多いです。 彼らが株を買う前に持っている通貨はドルやポンド等、外国の通貨です。

日本株は外貨では購入できないため、日本株がほしい外国人投資家は日本円への両替が必要です。 ただ、本当に両替をしてしまうと、株価の変動リスクの他に通貨の為替変動リスクまで発生することになるため、両替ではなく、日本株を買ったときと同じ金額分の円の売りポジションも同時に持つのが一般的なのだそうです。FXで言うところの「両建て」のようなものです。

日本株を売る時に、円の売りポジションも同時に解消するため、円には「買い」が発生することになるから

日経平均株価が下がる=円買いが発生するという事が言われています。

他のケースもあります。

外国の投資家が日本の株を買っていた場合、持っている株の株価が下がっていくと証拠金維持率が下がっていき、強制決済となってしまうことにもなりかねません。 長期的に保有しておきたい株がこの強制決済にかかるのを避けたいため、証拠金維持率を上げるためにと、彼らは、円を買い増しして証拠金を増やすのだそうです。

外国人投資家は、株とセットで円も売買し、日常的に株価が上がれば円を売り、株価が下がれば円を買い、という取引を行うのが一般的なのだそうです。

また、皆さんもいま必死に学ぼうとしている「一般理論」に沿った市場参加者の思惑と行動も、ドル円を実際に上下させる原因となっています。

「景気が良くなれば株価も上がる、株価が上がれば円安になるはず、円安に向かうならドルを買おう。」「ドル円が上がっているから株価もこのまま上がるだろう、買い足そう。」

またはその逆で、「円高に傾いてきたから、輸出企業の業績は下降するだろう、今のうちに株を売っておこう。」「日経平均株価が下がってきたから円高になるだろう、ドルを売って円を買おう。」などという理論に沿って、多くの人が実際に売ったり買ったりしていることで、相場は上下しているのです。

常に同じ連動をするわけではない

2020年3月27日現在、大きくはコロナウィルスの影響(その他にも要因はありますが)で世界中の株価が下がりました。 日経平均株価も同じく下がりました。

ドル円も同じく下がったのですが回復がとても早く日経平均株価の様子と違うなと思ったのがきっかけでこの記事を更新しました。

日経平均株価とドル円の動き

こちらは、日経平均株価リアルタイムチャートのキャプチャーです。 このように日経平均株価とドル円が一度に見比べられるようなデザインになっている事からも関連性の深さが伺えます。

上が日経平均株価、下がドル円です。日足なのでローソク足の1本が1日です。 比べてみましょう。

大きな理由としてコロナショックで大きく下落した日経平均株価とドル円ですが、ドル円は2020年3月9日が下落のピークで101円台まで下げた後、翌日の3月10日には大きく106円近くまで回復してその後下落する前まで戻しています。

しかし、日経平均株価の方は3月23日までは低い値で推移し続けました。

その後株価も回復はしているので、ドル円の動きを見て株価も回復すると予測を立てるから連動しているという見方も出来ますが、この場合は「完全に同じ動きをするわけでもない」という見方をした方が良いでしょう。