ドルインデックスとは? 為替との関連性等を初心者向けに解説!
管理人さん

為替相場についていろいろ記事を書いている中で、たまに出てくる「ドルインデックス」。 いつも見ているのはドル/円(1ドル=○○円)などの通貨ペアのチャートですが、ドルインデックスはドルその物の価値といった所です。

バイナリーオプション初心者だと最初は取っつきにくいと感じますし、ステップとしては後回しで全然OKですが、少しずつでも為替相場と友達になって興味を持つことが大事なので興味があれば是非覚えていきましょう。

最初の前フリは「知識」の部分なので難しいと感じたら飛ばして、見出しその2「ドルインデックスが上昇の場合の各通貨ペアの動き」から読んでも良いでしょう。

ドルインデックスとは?

ドルインデックッス(ドル指数)とは、総合的なドルの価値を示したものです。

複数の主要通貨内でのドルの価値を、貿易規模などを加味して計算されています。

このドルインデックスですが、実は色々と種類があります。

いつも週1コラムで紹介しているドルインデックスは、インターコンチネンタル取引所(ICE)が出している指数です。他にもアメリカ連邦準備制度理事会(FRB)や国際決済銀行(BIS)、大手銀行など、色々な所が指数を算出しています。

ICE、FRB、BISのドルインデックスの特徴

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上記の表にICE、FRB、BISのドルインデックスについて特徴を簡単にまとめてみましたが、まず大きな特徴として、対象となっている通貨数が全く違います。
私たちがトレードに使っているICEのドルインデックスが対象としている通貨数が6に対し、FRBは26の通貨を対象としています。

ICEの6つの通貨とは以下の構成になります。

ユーロ         57.6%
日本円         13.6%
英ポンド        11.9%
カナダドル        9.1%
スウェーデンクローネ   4.2%
スイスフラン       3.6%

ドルインデックスに占めるユーロの比重がもっとも大きく、日本の通貨である円は2番目に位置しています。

ICEのドルインデックスの特徴は以下の3点です。

・1999年にユーロが誕生してから、上記の比重も通貨構成も全く変わっていません。
・また、アメリカの最大の貿易国、中国が入っていないのも特徴的です。
・そして、当然のことながら、ユーロドルが大きく上下すれば、ドルインデックスも大きく動きます。

現在、市場で一日の取引量が一番多い通貨ペアはユーロドル、2番目がドル円、3番目がポンドドルです。これら3つの通貨ペアの順位はしばらく替わっていません。それだけ毎日流動性のある通貨ペアだということです。
よって、ICEのドルインデックス動きが顕著な時は、米ドルを介した通貨の取引が活発であることがわかります。

一方、FRBのドルインデックスの26通貨構成の中には、中国元が入っています。

主な通貨構成は以下となります。
ユーロ    16.22%
日本円    7.552%
カナダドル  12.618%
メキシコペソ11.67%
中国元20.81%
英国ポンド 3.393%
その他・・・

お分かりの通り、中国元の比率が一番高くなっています。2番目にユーロ。日本円の比率は低いです。
このように、FRBのインデックスは、米国との貿易をとても反映していて、米国の現況にあわせた米ドルの強弱がわかります。また、毎年通貨のパーセンテージ(加重比率)について見直されている点も良い点です。

ただし、FRBやBISが指数の動きの更新・公表を1日1回行っているのに対し、ICEのインデックスは、リアルタイムで更新・公表されているという点が決定的に違う点で、私達のように通貨の取引をする者達にとっては、ありがたい指数です。

ですから、ICEのドルインデックスを皆がベンチマークにして通貨取引をしているわけです。

ドルインデックスが上昇の場合の各通貨ペアの動き

ドルインデックスが上昇していれば、ドル円は買い(High)↑、ユーロドルは売り↓(Low)から入ったほうが良いという事は理解出来たと思います。

ここで例えば、豪ドル/円はどうなのか?関係あるのか?という疑問も出てくると思います。

豪ドル円は豪ドル/ドル×ドル/円の掛け算通貨でした。

ドルインデックスが上昇の場合、
豪ドル/ドルは下落↓ 一方、ドル円は上昇↑です。

つまり、一方が上昇↑でもう一方が下落↓なので、お互いに引っ張り合いをしてしまいます。

ですから、ドルインデックスが大きく上昇や下落している場合、クロス円の取引をしてしまうと、恩恵に与かることができないのです。

ですから、ドルが買われている局面で、ドルインデックスが上昇しているのであれば、素直にドルストレートの通貨を選んで取引したほうが良いのです。

ただ、このようなケースもあります。
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上の表をご覧ください。このチャートは2012年1月~9月第2週までのドル円チャートにドルインデックスのチャートを重ねたものです。(赤のロウソク足:陽線 青のロウソク足:陰線)

A、Bどちらの○の中も、ドル円が上昇局面です。しかし、Aの上昇局面でドルインデックスは停滞しています。

一方、Bの上昇局面では、ドルインデックスが上昇しています。

このことから、Bの局面では、ドル買い主導でドル円が上昇したことが分かります。ですから、このような時の取引にはドルインデックスを参考にして、ドル円はもちろん、ユーロドルなど、ドルがらみの通貨ペアを取引したほうが分かりやすくて良いのです。

逆に、Aの上昇局面では、円売り主導でドルが上がっていたことが分かります。このような時は、円がらみの通貨ペア、ドル円やクロス円の取引をしたほうが分かりやすくて良いということになります。

我々日本人にとっては、やはり基本の通貨ペアはドル円ですが、ドル円が上昇している場面で、クロス円も一緒に上昇しているのか、ユーロドルやポンドドルが下落しているのかを、習慣的に見れるようになると、トレードの幅も広がりますので、試してみてください。

便利な指数ですので、うまくトレードに役立ててみてください。