バイナリーオプションの税金サラリーマンや公務員の場合
バイナリーオプションの税金や確定申告についてはバイナリーオプションの税金計算と確定申告の書き方で説明しましたが、色々なケースで変わって来る為、具体的な例で解説します。

このページでは、支払う税金がいくらになるか?ではなく、確定申告は必要か?税金を支払う必要があるか?という点に絞ります。

サラリーマンも公務員もフリーターも同じ

まず、職業・男女共通で給与所得が年間38万円以上であれば全て同じです。サラリーマン、OL、公務員、フリーターで違いはありません。

今回は分かりやすく、サラリーマンを例として解説します。

学生や年収が38万円以下の方、扶養に入っている方のケースは別記事で解説します。

確定申告で重要な4つのポイント

サラリーマンのポイント
年間38万円以上の給与をもらっていて、扶養に入っていない人は、以下の点がポイントとなります。

  1. 年収が2,000万円以上か?
  2. 副業で他にも所得があるか?
  3. 年間の利益が20万円以上か?
  4. 利用業者が海外業者か国内業者か?

この4点がポイントです。

年収が2,000万円以上か?

年収が2,000万円以上だった場合は、バイナリーオプションで少しでも利益があれば確定申告が必要です。

副業で他にも所得があるか?

副業には、アルバイト・パートなどで会社から給与をもらう形クラウドソーシングなど個人で報酬をもらう形に分かれます。

アルバイト・パートの場合は、バイナリーオプションの利益とは関係なく、給与があれば確定申告・もしくは本業の方の会社でまとめて年末調整をしてもらう必要があります。

アルバイト・パート以外の副業の場合は、売上-経費=利益が所得になります。バイナリーオプションの利益も所得なので、所得を合計した金額が利益と考えて下さい。 

年間の利益が20万円以上か?

他で副業が無いか?を踏まえて、バイナリーオプションだけでなく、給与以外の利益が年間20万円以上だと確定申告が必要です。

利用業者が海外業者か国内業者か?

国内業者か海外業者かで確定申告が必要か不要かには関係ありません
しかし、後ほど「確定申告しなかったらどうなるの?」という疑問が出てくるので、ポイントの一つとして挙げておきます。

確定申告・税金のケース別の具体例

いくつかの例を挙げて解説していきます。

年収500万円・年利益30万円のAさん

Aさんは、年収500万円です。
国内業者、海外業者問わず、バイナリーオプションで年間30万円の利益が出ました。

  1. 年収が2,000万円以上か?・・・×
  2. 副業で他にも所得があるか?・・・×
  3. 年間の利益が20万円以上か?・・・○

Aさんは確定申告が必要です。

年収が2,000万円未満だったので、1の条件では確定申告は不要でしたが、年間の利益が20万円以上なの、2の条件に当てはまり、確定申告をする必要があります。

年収2,400万円・年利益10万円のBさん

Bさんは、年収2,400万円です。
国内業者、海外業者問わず、バイナリーオプションで年間10万円の利益が出ました。

この場合は、

  1. 年収が2,000万円以上か?・・・○
  2. 副業で他にも所得があるか?・・・×
  3. 年間の利益が20万円以上か?・・・×

Bさんも確定申告が必要です。

年収が2,000万円以上だったので、利益が10万円以下だったとしても、1の条件で確定申告をする必要があります。

年収が2,000万円以上でも、給料が1か所から支給の場合は確定申告の必要はありませんが、その他の所得が少しでもある場合は、会社の年末調整ではなく確定申告をする義務が生じます。

年収500万円・年利益15万円のCさん

Cさんは、年収500万円です。
国内業者、海外業者問わず、バイナリーオプションで年間15万円の利益が出ました。

  1. 年収が2,000万円以上か?・・・×
  2. 副業で他にも所得があるか?・・・×
  3. 年間の利益が20万円以上か?・・・×

Cさんは確定申告は不要です。

年収が2,000万円未満だったので、1の条件で確定申告は不要で、年間の利益も20万円未満なので、2の条件に当てはまらないので、確定申告が必要がありません。

実は、Cさんは11月の時点では20万円の利益を得ていたのですが、「確定申告が面倒くさい。損してでも確定申告したくない。上司や経理にプライベートな一面は見せたくない」という気持ちがあり、わざと損をして年間の利益が20万円未満になるような取引をして調整をしていたようです。

こういった手法で年間の利益を調整する方もいるようです。

年収500万円・年利益15万円・副業(報酬)で10万円のDさん

Dさんは、年収500万円です。
国内業者、海外業者問わず、バイナリーオプションで年間15万円の利益が出ました。
イラストを描くお仕事(報酬)をして副業で10万円の収入がありました。

この場合は、

  1. 年収が2,000万円以上か?・・・×
  2. 副業で他にも所得があるか?・・・○
  3. 年間の利益が20万円以上か?・・・○

となり、Dさんは確定申告が必要です。

年収が2,000万円以下だったので、1の条件では確定申告は不要でしたが、バイナリーオプションの利益15万円と、副業(報酬)で10万円の収入があり、合計25万円の別の所得があったという計算になります。

これは、3の条件に当てはまり、確定申告が必要です。

年収500万円・年利益10万円・副業(報酬)で8万円のEさん

Dさんは、年収500万円です。
国内業者、海外業者問わず、バイナリーオプションで年間15万円の利益が出ました。
イラストを描くお仕事(報酬)をして副業で10万円の収入がありました。

この場合は、

  1. 年収が2,000万円以上か?・・・×
  2. 副業で他にも所得があるか?・・・○
  3. 年間の利益が20万円以上か?・・・×

となり、Eさんは確定申告が不要です。

副業をしていても、給与では無く報酬で、利益の合計が20万円以下なので不要です。

年収500万円・年利益15万円・副業(給与)で4万円のFさん

Eさんは、年収500万円です。
国内業者、海外業者問わず、バイナリーオプションで年間15万円の利益が出ました。
会社とは別に夏に海の家でアルバイト(給与)をして副業で4万円の収入がありました。

  1. 年収が2,000万円以上か?・・・×
  2. 副業で他にも所得があるか?・・・○
  3. 年間の利益が20万円以上か?・・・×

となり、副業の年間の利益が19万円であるEさんは確定申告不要かと思ってしまいそうですが、

Eさんの場合のポイントは、2.2 副業で所得があるか?で述べた通り、副業で給与所得という形でお金を貰っていたのか、クラウドソーシング等のように報酬としてお金を貰っていたのかという点です。

給料(給与収入)を二カ所からもらっている人は年利益と副業を足して20万円未満でも確定申告が必要です。

という事で、今回のケースは、バイナリーオプションの利益とは関係の無い部分で確定申告が必要になります。

※本業の会社が、副業のお給料も合わせて年末調整をしてくれるケースもあります。その場合は、本業の会社にバイナリーオプションの収支報告もしましょう。

年収500万円・年利益-10万円・副業(報酬)で25万円のGさん

Fさんは、年収500万円です。
国内業者、海外業者問わず、バイナリーオプションで年間-10万円の利益(損失)が出ました。
イラストを描くお仕事(報酬)をして25万円の利益がありました。

  1. 年収が2,000万円以上か?・・・×
  2. 副業で他にも所得があるか?・・・○
  3. 年間の利益が20万円以上か?・・・×

となりますが、Fさんも確定申告が必要です。

バイナリーオプションを事業と考えて、損失分を経費として計算すると、副業を合わせた年利益は15万円なので確定申告は不要という考え方をする事も理屈では出来ます。

しかし、通常は税務署はFXやバイナリーオプションを事業としては認めません
国内業者の場合は雑所得と既に決まっています。雑所得の場合は、損失で他の所得をマイナスとする効果は無いのです。

パチプロと同じで、事業として証明できる(例えば一日中取引をしている履歴が残されている等)のであればあり得ますが、サラリーマンでしっかりと所得を得ているので、事業所得か雑所得かの争点で勝つのは難しいでしょう。

その為、確定申告が必要になります。

確定申告をする為には会社に報告

サラリーマン(会社員)の場合は、他に収入が無いケースが多く、会社が年末調整という方法で代わりに税金を支払っています。

確定申告が必要な人は、会社の経理・上司に素直に「バイナリーオプションで利益が出たので年末調整は不要です。自分で確定申告をします」と伝えるのが一番良いでしょう。(バイナリーオプションではなく、FXと言った方が伝わりやすい場合もあります)

FXと言えば雑収入と決まっているので、副業を禁止している会社でも、一般的に事業・副業という扱いでは無いのでお咎めなしの可能性が高いと思います。

あくまでも会社毎の判断ですが、競馬やパチンコを禁止している会社はあまり無いと思います。
競馬やパチンコも利益を上げれば税金の支払い義務がありますので、何か言われたらこれと同じ事だと説明をすればよいでしょう。

源泉徴収票を会社からもらう

源泉徴収票サンプル
源泉徴収票は毎年1月頃には発行されているはずです。
こちらを元に2月16日~3月15日の間に、国税庁のホームページで確定申告を進めるというのが一般的な流れです。

会社にバイナリーオプションのことがバレたくない

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さて、特にBさんの身になって考えた時に、ふと疑問に思う事があります。

年収が2,000万円を超えるBさんは、バイナリーオプションで年間1万円の利益しか出なかったとしても確定申告をしなくてなりません。
「1万円くらいならしなくてもいいか?」「確定申告しなかったらどうなるのか?」と思うのが多くの人間の心理です。

税金を収めたくない人、手続きが面倒だという人、上司に言いたくないという人もいるかもしれません。
「そんな暇あったら仕事の事を考えろ」とか嫌味を言われるかもしれません。。

バレる?バレない?に関しては、
>>バイナリーオプションの利益が出て確定申告をしなかったらバレるバレない?
で詳しく読んでいただければと思いますので、このページでは簡潔に記載しておきます。

ここで4つ目のポイントの利用業者が国内業者か海外業者か?が注目点になります。

  • 国内業者の場合は確実にバレます。(少額ならお咎めないかもしれません)
  • 海外業者の場合はバレにくいです。

このような情報サイトでバレないから大丈夫とは口が裂けても言えず、「確定申告をしましょう」というのが答えです。

年収2,000万円の人が、お正月にパチンコをして1万円の利益を上げたので会社に報告して「私、今年度は年末調整は不要です。パチンコで1万円の利益を上げたため、確定申告を致します。」とする人はごく少人数と想像出来ます。

それは海外業者のバイナリーオプションでも同じです。
この例えで言うなら、国内業者の場合はパチンコ店が税務署に誰がいくら利益を得たかを報告して伝わっている状態だと考えておきましょう。

100万円、1,000万円も儲かった場合は不安なのでちゃんと確定申告しようと思うかもしれませんが、少額だと迷う人もいるかもしれません。

その時は、

      • 1万円程度で確定申告するのが面倒だからリスクを承知で隠し通すか?
      • 1万円にかかる程度の税金で後ろめたい気持ちになるのは嫌だから確定申告して堂々と生活するか?

で考えてみると良いでしょう。

まとめ

まとめ
会社員でもOLでも公務員でもフリーターでも、お給料をもらっている人は全て同じ考え方で、

      • 年収2,000万円以上で年間でバイナリーオプションの利益がある
      • 年間でバイナリーオプションの利益が20万円以上ある
      • 年間でバイナリーオプションの利益とその他の収入を合わせて20万円以上ある

場合は、確定申告が必要で、バイナリーオプションで損失が出ても他の所得額を減らせない。
利益が30万円程度のサラリーマンが確定申告をする場合は、雑所得か一時所得のどちらかとみなされる可能性が高い。

近所の相談窓口では確定申告の書き方を丁寧に教えてくれます。
係の人が適当にOKをしてくれるパターンもあります。

確定申告は自己申告なので間違う人もいます。

ご自身の中で理屈が通っていれば、そう思う通り申請をするというのは間違いではありません。
それによって後で追徴課税があるかもしれませんが犯罪者として捕まったり、とんでもない額のペナルティがあるわけでは無いので、正しいと思った通りに申請するのが確定申告です。

ただし、正しくないと知りながら申請するのは脱税行為ですのでお気をつけ下さい。