トランプ大統領が誕生へ、金価格に注目したい理由(コラム)

アメリカの大統領選挙、まさかの結果でトランプ氏が勝利、次期大統領はトランプ氏の就任が決定しました。

しかしトランプ氏の大統領選挙勝利で、金融市場は株も為替も右往左往。選挙当日は大きく下げて、翌日は大きく上がるという、全く方向が読めない展開となっています。

混乱する金融市場の中で、注目したいのは金の価格。金価格は2016年に入り、上昇トレンドに入っています。そして金価格はリスクオフ=リスク回避の指標として知られています。

トランプ氏の大統領就任で、金価格の上昇となれば市場はリスク回避の意味合いを深めて株価が低迷する可能性がありますし、逆に下がるようであれば、株価が上昇する可能性も。

今後の金価格の動向に注目すると、トランプ大統領就任後の金融市場を冷静に考える手掛かりを得ることができるのです!

2016年は上昇を続けている金価格

以下はドル建ての金の価格(XAU/USD)の2016年以降のチャートとなります。
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※チャートはTradingViewを利用、以下同様

2016年1月に1,070ドル付近で始まった金価格は、11月10日の大統領選後には1,280ドル付近まで上昇をしています。

金の価格は金融市場のリスク回避の志向を表す指標、と言われており、金が買われる際は株価が下がりやすい、とも言われています。

実際に株価(日本の日経平均)はどうだったかと言えば、2016年は下記のようなチャートとなっています。
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確かに2016年の前半戦は、金価格の上昇と逆相関するように、日経平均は下落しています。

そして金価格の上昇、日経平均の下落が一段落した後は、金価格は上昇トレンド的なレンジ相場、日経平均は完全なレンジ相場に入っています。

月足ベースでは立ち直りつつある金価格

金の価格は2011年をピークに2015年まで下がり続けてきた歴史があります。しかし2015年末から2016年初頭に底を打った可能性があります。それを伺うことができるのが月足チャートとなります。
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月足では現在レンジ相場となっている金価格ですが、2015年12月に底を打っている、と考えれば、今後更なる上昇の可能性があります。

金価格の行方でトランプ大統領後の金融市場の行方が分かる可能性

金価格は、月足チャートからは既に2015年12月に底を打っている可能性があり、再度2015年12月の底値を割れなければ、上昇トレンド継続となります。

その場合、リスク回避指標と言われる金価格の上昇により、株式市場は下落の可能性が強くなります。

一方、経済界出身のトランプ大統領により米国経済が力強さを取り戻すようであれば、リスク選好姿勢=金価格下落により、株式市場の上昇も期待ができます。

いずれにしても、足元大揺れの金融市場ですが、今後の金融市場の行方は金価格が一つの指標とはなりえます。トランプ氏の大統領就任まで、トランプ氏の言動等で市場が右往左往する機会もありそうですが、そんな時は冷静に金の価格を見て、今後の市場の行方を考えていきたいものですね。