講師 女性 Eye glasses teacher touching chin with index fingh今年も早いもので3月末がやってこようとしています。年末からトランプ相場で結構激しい上昇を示現したドル円は、その後は実はあまり方向感がはっきりせず、やりにくさを感じてきた方も多いと思いますが、ここへ来てもさらに下がりそうなそうでもなさそうなはっきりしない動きが中心で取引のしにくい状況が継続中です。ただいずれにしても今週一週間で国内でいうところの2016年度もお仕舞いですから、独特の動きがでることには注意が必要となります。FXの取引としてはもっとも向かない時間帯にさしかかりますが、週があけて4月になれば新年度でニューマネーの投入も期待できますので、この一週間はあくまで我慢のひとときということになりそうです。

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ドル円日足ボリンジャーバンド

調整のレパトリエーションに注意

2月の後半あたりから本邦系企業の国内への資金の返送となるレパトリエー所はすでに積極的に動いており、また海外の投資信託の満期に伴う円転などもこの段階では大半は終了しているのが現状です。ただ、決算対策として微調整がこの最終週にでることもありますので、円買いがそれなりに出る可能性があることは十分に理解しておく必要がありそうです。円転にともなう比較的大きなタマは東京タイムでの売買だけではなく、London Fix(日本時間の午前0時)に出ることもありますので、夜間に急に円高にシフトするといった不意の動きにも注意が必要になりますが、一旦買いが終われば相場は元に戻ることが多いのでこうした動きにも注意が必要になります。

外資のドル転も月末ぎりぎりには発生の可能性

外資系の企業は3月は一般的な期末ではありますが、年度末ではないことから積極的なレパトリで資金を動かすことはあまりありませんが、通常の期末ということで月末のLondon Fixについては一定のフローが登場することもありますのでこちらも一応注意が必要となります。

インターバンクや機関投資家はほとんど動かないのが特徴

年度末ということでインターバンクや機関投資家などは売り上げ、利益確定のために余分な取引はほとんどしなくなってしまいます。したがってオーダーが出たものには対応しますが、自ら売買を積極的に行うことはなくなり、かなりなぎの市場が東京タイムを中心に継続することだけは覚悟しておく必要があります。ただ、逆にボラティリティがないだけに大玉の買いや売りが出たときには相場が驚くほど動いてしまうことがありますので、逆に注意が必要です。
ほとんどこのタイミングではないとは思いますが、M&Aの資金振込みの残金が残されているといった場合には円をドルに換金するという動きがでることも稀にはありますので、こちらも東京タイムの終盤やロンドンタイムの序盤、London Fixなどに注意をしておくことがお勧めとなります。

実需ダマは買いきり、売り切り主体となるのが特徴

ここ数ヶ月レンジ相場の中では当時筋が中心に売買を行ってきたことから、買いが集中する動きになるとどこかで急に反対売買がでて相場が自律的に下落してしまったり、逆にショートが溜まりすぎますと大きなショートカバーがでて相場が戻るといった動きが見られましたが、この時期の実需の買いや売りは買ったら買いっぱなし、売ったら売りっぱなしが基本となりますので、動意づいても元に戻らないことも多いのがこの時期のひとつの特徴となります。

ドル円に関してはとにかく米国10年債利回りのかなりシンクロしながら動いているのが足元の状況となりますので、ドル円自体のチャートとともに米国10年債利回りの推移についてもチェックしておくことがお勧めになります。
一定以上のボラティリティを得てそれなりの売買をして利益を確保したい個人投資家にとってはいまひとつ退屈な時間帯にさしかかってしまいますが、急な動きがでることもありますので引き続き一定以上の注意はしながら相場を見守ることが重要になりそうです。
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データ Investing .com
https://jp.investing.com/rates-bonds/u.s.-10-year-bond-yield