管理人さん
FOMCを経ていよいよ今週から本格的な8月波乱相場に突入していきます。波乱満載の予想通りの荒れ相場です。

先週のFOMCではほぼ利下げは予定通りでしたが、パウエル議長がその後の会見で、今回の利下げが連続した利下げの始まりになるわけでははいといったタカ派発言をしたことからドルは一旦上昇することとなり株価が大きく下げ始め、慌てたのか利下げがないわけではないとわけのわからない会見を行ったことから結局相場はかなり痛む結果となってしまいました。

トランプの対中関税実施ツイートがとどめを刺す

翌日の東京タイムではどうやらCTA系のファンドが無理やりドル円をかいあげたようですが、109.300円周辺にあったストップをつけたところでお仕舞いだったようで一転して今度はリカクから売りにまわったことで108円近辺まであっといまに下落。

そしてNYタイムでトランプの対中関税実施ツイートがとどめを刺す形でドル円は107円台へと沈没することとなります。さらに翌日の東京タイムでは106円台へと押し込まれる始末で、金曜日は雇用統計があったにも関わらず発表前から107円台を回復することもなく大きく下落して週の取引を終えています。

ドル円1時間足
ドル円1時間足

ほぼ二日あまりで2円80銭程度の値幅で下落したわけですから、最初に売っていた向きは踏みあげられてあえなく損切り、逆にロングでついていった向きは一旦はリカクで利益が出てもその後買い向かって大きくやられてしまった可能性が高く、結構相場は先週後半だけも傷んでしまった感があります。

お盆休み前のさらなる下値だめしに厳重注意

今週の相場ですが、引き続き下方向への警戒が必要になりそうで、年初につけた105円割れ(業者によって価格はまちまち)をドル円はマザーマーケットである東京タイムにどこかで試しに行く危険性がかなり高まっています。

ここから一気に105円割れまで突っ込むかどうかはもちろんはっきりはしませんが、来週はお盆休みということもありますからこの10日間の中で下を試しにいくリスクはかなり高くなりそうです。
現状ではドル安が進行中でしかも円高が加速していますので、クロス円も円高になりやすく、ここから1.5円程度の下押しは比較的簡単にやってくる可能性はかなり高そうです。もちろんショートが溜まり過ぎれば大きく跳ね返る危険性もありますが、そのあたりはチャートを見ながら判断していく必要がありさがらなくなると一気に跳ね返ってくることも想定して臨みたいところです。

トランプが為替に言及すると激しい相場が示現するリスクも

今回トランプ発言はあくまで対中貿易に関するもので、しかも関税に限られましたが、ECBも緩和を進める意向を示しており、全般にドル高が進行しているだけになにか具体的に為替についてトランプ発言がでますと相当な勢いでドルで売られる危険性がありここからの1か月余りはそれにも気をつける必要がでてきているようです。日米通商交渉はどうも進捗が遅れているようで具体的な発表は9月なのではないかという憶測も飛び交い始めていますが、すでに参議院選挙も終えているわけですから円に対する不満がトランプの口から飛び出す可能性も否定できない状況で相庭が薄くなる時期だけにおもわぬボラティリティがでてオーバーシュート気味にドル円が下落することにも十分注意すべき状況です。

米国株式相場にはテクニカル的に下落の可能性が高くなることを示唆するヒンデンブルグオーメンが7月23日に点灯し、市場ではかなり話題になっています。というのも今回は単に危険シグナルが点灯するだけではなくFOMCを経て相場が崩れだしているからで、米国ではこのシグナルが出ますと、5%以上の株価下落が生じる可能性が77%、クラッシュが起きる可能性が41%、重大な下落が生じる可能性が24%とされており、非常に市場参加者が嫌がる状況となっています。とくに足元の米国市場のように株価が最高値を更新し、闇雲に VIX指数が下落している状況では、こうした状況変化が本当に起こる可能性は否定できないわけで、こちらも相場が下落する方向を示唆するものとして意識しておきたいところです。