山手敏郎
年内最後の注目イベントとなったFOMCは大方の予想通り0.25%の利上げとなりましたが、市場は来年以降の利上げペースをより緩慢なものになることを期待したいたことからパウエル議長の会見をきっかけにして大きく値をくずす展開となり、それを受けた東京市場では一気に112円を割り込む動きから20日のNYタイムにはさらに下押しして一気に110.81円レベルまで押し込むというまさかの推移となってしまいました。本来はFOMCの結果を受けて多少の動きがあったとしてもほぼクリスマス前の取引を終える時期でポジション調整程度が残るのが例年の動きであっただけに株も為替も明確な下げトレンドがでることになったのはかなり異例の相場となってしまっています。

週明けは25日が欧米ではクリスマスのため東京市場しか開きませんし、26日は英国がボクシングデーということで実質27,28日の二日間しかありませんが、クリスマス休暇明けの米国勢は相場に戻って一足お先に2019年相場に向かうこととなり、ここからの動きを今回は考えてみましょう。

サンタクロースラリーはあるのか

本来は12月24日から年明けの1月2日位までは米株は例年上昇することが多くこのアノマリーをサンタクロースラリーなどと呼んでドル円も連動して上昇することが多くなるわけですが、今年はそうした動きがでるとは思えない状況で、株も為替もまず年末の動きがどうなるのかに非常に関心が集まりそうです。

一般的にシーズナルサイクルとして1月は米株が弱く、ドル円もそれにあわせるように弱含みになることが多いわけですが、季節性を度外視してさらに株価が下落することになれば債券が買われ金利が下がることからドル円もよりドル安を示現させることになりやすいことから、ここからは株と債券金利の両方に目を配りながらの取引をすることが必要になりそうです。

ポンドは年内開店休業状態

12月に入って矢継ぎ早の動きとなったポンドは議会が20日から休会となったことで年明けまでは開店休業状態となることが確認されています。したがって年内最終週は本当に実需の売買の残り程度しか相場を動かす材料はなくなりそうです。したがってここは無理をせず、各通貨ペアの方向感をしっかりつかんで年明けから心機一転売買にチャレンジするのもひとつの方法ではないかと考えます。

今年は個人投資家もヘッジファンドなどの投機筋も一様に儲かっていない人が多いようで、一体だれが利益を得ることができたのか不思議になりますが、闇雲にポジションをもって証拠金を減らして年を越すようなことがないように慎重な取り組みが必要です。

2日以降は本格的に新年度相場がスタートしますので、大きく動くこともありますので、まずは相場がどのように動き出すのかをしっかり確認することから始めたいものです。今年ドル円はとうとう年間の変動幅が10円を割るという驚異的な狭いレンジ取引に終わりましたが、下手をしますと来年はさらにそのレンジが狭くなる可能性もあり、ドル円を中心に売買をしている個人投資家はどのようにトレードするかの戦略を再度検討しなおすことが求められそうです。

あえて通常の裁量トレードではなく一回ずつ決着がつくバイナリーオプションを中心に展開を考えてみるなどより安全で確実な投資方法をFXでも検討していくことが重要になりそうです。個人投資家がリスク管理でもっとも実行しやすいのは証拠金を減らさないということに尽きますから、最初からコストと利益が明確なバイナリーオプションはさらに利用機会を増やしていける年になるのではないでしょうか。