anomary1皆さん、明けましておめでとうございます。今年も頑張りましょう!
さて、今年は元旦1日が金曜日ということで、相場的には、欧米勢とともに新年相場第1日目を迎えることになります。日本の休み中にドル円に欧米勢が仕掛けるということもできないので、初日はしっかりと、まずは株を見ながらの展開が予想されます。
また、欧米勢にとっては、新年度でもありますので、大きく今週はポジションを取ってくることも考えられるので、4日の欧州時間以降は注意が必要です。

今回は、巷で言われるいくつかの1月為替アノマリーについて検証してみたいと思います。

アノマリーというのは、「1月は○○しがち~」というような「都市伝説」と「あるある」と「マーフィーの法則」の中間みたいなもんです。

ドル円は1月に年間の高値や安値をつけやすい! これって本当?

ドル円が1月に年間の高値や安値をつけやすい!ということが言われていますが、本当かどうか、他の通貨ペアも含めて検証してみましょう。
下の表は2003年から2015年の間、赤のセルがその年の高値をつけた月、青のセルがその年の安値をつけた月、紫のセルがその年の高値と安値を同時につけた月を示しています。まずは、ドルストレートを見てみます。

表①ドル円 表②ユーロドル
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表③豪ドルドル 表④ポンドドル
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ここ13年の間では、表①のドル円を見てみると4回高値または安値をつけていますが、12月のほうが高値または安値をつけることが多く、逆に夏場は高値も安値をつけないことが顕著にわかりますね。このように、ドル円が1月に年間の高値や安値をつけやすい、というアノマリーは、直近13年の間では疑問が残ってしまいますが、年を超えて11月~2月にかけて高値または安値をつけやすいという点があることは見てとれますので、高値掴み、安値掴みには注意したほうがいい、ということは覚えておいていいでしょう。

表②のユーロドルを見ると、ドル円よりもこちらのほうがアノマリー的には合っているのかもしれません。1月に高値・安値をつけたのは6回、12月は7回と、直近13年では確率が高いですね。ユーロドルは1番取引される通貨ペアですし、欧米勢にとっては、1月は新年度ということもあり、1方向にポジションを傾けやすい、のかもしれません。ユーロドルの取引きは、12月、1月に高値・安値をつけやすい、ということは今覚えておくべきでしょう。

表③の豪ドルドル、表④のポンドドルについては、1月には特徴はありませんが、やはり、12月は高値または安値をつけやすい、ということは知っておいたほうが良いのかもしれません。

ここまで、ドルストレートを見てきましたが、2013年の12月は、ドル円が高値をつけたにも関わらず、ユーロドルもポンドドルも同じくその年の高値をつけていることは、興味深い現象です。

次にクロス円を見てみましょう。

表⑤豪ドル円 表⑥NZ円
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表⑦ユーロ円 表⑧ポンド円
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クロス円を見てみると、表⑤の豪ドル円は、全く特徴のある月がありません。表⑥のNZ円は12月が高値または安値をつけやすいようです。一方表⑦のユーロ円と表⑧のポンド円は12月、1月に高値・安値をつけやすい傾向にあることが、分かります。

以上のことから、ここ10数年では、1月にその年の高値または安値をつけやすい通貨ペアは、ドル円ではなく、ユーロドル・ユーロ円、ポンドドルということが言えるでしょう。

1月の方向性が年間の方向性を決めやすい?

1月の動きは、その年のマーケットの方向性を決めやすいとされています。これは、欧米が新年度入り、ということで、自分が思う今年度の方向にポジションを傾けやすいということが、関係していると思われ、上下どちらに動くと思っているかの力関係を見る上で参考になると思います。
では、実際に新年1月にポジションを傾けた方向に、年末向かっていたのか?、どのような結果になるか?を検証してみたいと思います。

下の表は、2003年~2015年の1月月足の関係と年足の関係を示しています。赤のセルが1月月足及びその年の年足が陽線になった場合を示し、青のセルが1月月足及びその年の年足が陰線になった場合を示しています。
それぞれの年の1月と年足のセルの色が同じである確率が高いほど、このアノマリーの信ぴょう性が高いと言うことになります。

ドルストレートから見てみます。

表⑨ドル円 表⑩ユーロドル
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表⑪豪ドルドル 表⑫ポンドドル
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ドル円は直近13年間で6/13(46%)、ユーロドルは8/13(61%)、豪ドルドルは7/13(53%)、9/13(69%)となっていて、欧州通貨とドルの通貨ペアが確率が高いことが分かります。トレンドが出やすい通貨ペアとも言えると思います。

次にクロス円を見てみます。

表⑬豪ドル円 表⑭NZドル円
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表⑮ユーロ円 表⑯ポンド円
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豪ドル円は直近13年間で9/13(69%)、NZ円は9/13(69%)、ユーロ円は8/13(61%)、ポンド円は8/13(61%)となっていて、ドルストレートよりもクロス円のほうが確率が高いことが分かります。

よって、このアノマリーは信憑性があるということが言えます。ただし、これはあくまでも、1月最終日の陰線か陽線かが確定した後、ポジションをその方向にとって放っておけば、年末に大きく儲かるというものではないので、しっかりとチャートを見てくださいね。確かに、12月末まで放っておけば、大きく儲かる年もありますが、途中で反転して戻ってくる年もありますので、あくまでも、1月の動きがその年のマーケットの方向性を決めやすい、という目安、トレードする時に買い・売り(HIGH・LOW)どちらから入ったほうが良いかの判断材料として捉えて下さい。

1月は株価が上昇しやすい?

1月は株価が上昇しやすい、あるいは12月の株価は安く、逆に1月の株価は高い、と言われていますが、本当なのでしょうか?検証してみたいと思います。
下の表は、2003年から2015年の1月日経平均月足とドル円月足の関係を示しています。赤のセルが陽線、青のセルが陰線を示しています。日経平均と連動性があると言われるドル円ですが、1月の関係はどうなのでしょうか?
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表⑰1月の日経平均月足とドル円月足の関係

1月は株価が上昇しやすいというアノマリーですが直近13年間の日経平均株価は、5/13(38.4%)と陽線になる確率が低いことが分かります。また、日経平均とドル円の連動性は7/13(53.8%)と確率が高いとは言えません。

NYダウについても見ておきましょう。
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表⑱1月のNYダウ月足とドル円月足の関係

ダウも直近13年間で6/13(46.1%)の陽線になる確率が50%を割り込んでしまっています。NYダウとドル円の
連動性については8/13(61.5%)と日経平均との連動性よりも高くなっています。

以上のように、1月は年度初めではありますが、積極的にポジションを新しく構築して、株価が上昇するということではないようです。

ただ、トレードをする上で気をつけて頂きたいのは、1月はやはり新規のポジションを構築する人が増えるので、相場が変動しやすいという点です。

2015年・・4円90銭  2014年・・3円68銭  2013年・・5円23銭  2012年・・2円12銭
2011年・・2円74銭  2010年・・4円63銭  2009年・・7円52銭  2008年・・6円98銭
2007年・・4円21銭  2006年・・4円62銭

上の数字は、直近10年間の1月ドル円の値幅です。動かないと言われた昨年2015年でも4円90銭の変動幅があるのです。ですから、この1月もボラタイルな相場になる可能性は十分に考えられるので、注意しながらトレードしましょう!