
今回は、バイナリーオプションと密接な関係のある攻略法である、「マーチンゲール法」について取り上げたいと思います。有料のインジケーター等で、略して「マーチン」とか「マーチンは1回まで」等というワードで登場する事もある、マーチンとは何なのか?実は資産を一気に0にする危険な攻略法である事を理解しましょう
マーチンゲール法とは
マーチンゲール法は、元々はギャンブルの手法としてついている名前です。
ルーレットや丁半博打のような、当たる確率が1/2、払い戻し倍率が2倍である場合に成立する手法です
上の図は、どのようになっているか詳しく解説します。
- 第1回目・・1000円を賭けます。 結果は丁で負け!
第1回目は例えば1000円を賭けます。
- 勝てば+1000円でした。
- マーチンゲール手法につきここで終われません。次は1000円×2倍で挑みます。
- この時点で-1000円負け。
- 第2回目・・2000円を賭けます。 結果は半で負け!
第2回目は倍の2000円を賭けます。
- 勝てば+1000円でした。(+2000円ー前回までの負け分1000円)
- マーチンゲール手法につきここで終われません。次は2000円×2倍で挑みます。
- この時点で-3000円負け。
- 第3回目・・4000円を賭けます。 結果は丁で負け!
第3回目は2000円×2=4000円を賭けます。
- 勝てば+1000円でした。(+4000円ー前回までの負け分(計3000円))
- マーチンゲール手法につきここで終われません。次は2000円×2倍で挑みます。
- この時点で-7000円負け。
- 第4回目・・8000円を賭けます。 結果は半で負け!
第4回目は4000円×2=8000円を賭けます。
- 勝てば+1000円でした。(+8000円ー前回までの負け分(計7000円)
- マーチンゲール手法につきここで終われません。次は8000円×2倍で挑みます。
- この時点で-15000円負け。
このようにして、勝つまで続けます。
ポイントは第何回目で勝ったとしても、+1000円になる。 という事です。
つまり、言い方を変えれば、何回負けても最後は+1000円になる。 という事です。
一度プラスが出たら、次からは掛け金を1000円に戻して、同様の手順を繰り返します。
つまり、マーチンゲール法は負けを無かった事にする手法なのです。
この手法を実現できれば、資産がある限りはいつかは必ずプラスになるので、絶対に負けることはありません。
バイナリーオプションは勝率が1/2で、倍率も2倍に近いので非常にこの方法が必勝法として紹介される事が多いです。
マーチンゲール法の問題点・落とし穴
先ほど「この手法を実現できれば」と書きましたが、マーチンゲール法をバイナリーオプションに用いる場合には2つの問題点があります。
まずは根本的な問題から解説します。
資産が無限にある事という条件が満たされない
マーチンゲール法が本当に使えるものであれば、バイナリーオプション以前にカジノやルーレットで誰もがボロ儲けしているはずです。
しかし、現実は違います。 つまりマーチンゲール法は幻の理論なのです。
勝率が1/2としても、連続で負ける事も現実ではあります。 この連続で負けるというのが非常に怖いのです。
イメージしやすいよう、1回10,000円の取引で実際にやってみましょう。
- 1回目・・10,000円のベット(負け)
- 2回目・・20,000円のベット(負け)
- 3回目・・40,000円のベット(負け)
- 4回目・・80,000円のベット(負け)
- 5回目・・160,000円のベット(負け)
- 6回目・・320,000円のベット(負け)
- 7回目・・640,000円のベット(負け)
- 8回目・・1,280,000円のベット(負け)
例えば、7回連続で負けると、8回目は128万円の賭けをしなくてはなりません。
7回連続で負ける確率は、0.78%ですが普通に起こります。
さて、ここで本題です。
アナタが8回目で負ける確率は何パーセントでしょうか?
8回連続で負ける確率だから、2の8乗分の1の確率=1/256でしょうか?
答えはノーです。
8回目の取引でも、負ける確率は1/2です。つまり、1/2の確率で128万円を失うのです。
この賭けに負けたら次は256万円を賭けなくてはなりません。 次の勝負も1/2です。
まるで漫画カイジの世界のような「ぐにゃぁぁ~~」という泥沼が待っているという事が想像いただけましたでしょうか?
資産は無限ではありません。
それでもあなたはマーチン始めますか?
マーチンゲールは破産への近道です。
負けを取り戻そうとして損失が膨らむのはまさにギャンブルの泥沼。
絶対に取り入れてはいけません。
ここまでの解説でほぼ理解出来たと思いますが、例えば海外バイナリーオプションでマーチンゲール法を用いると、さらに2つの落とし穴があります。
ペイアウト倍率は2倍よりも低い
バイナリーオプションで考えてみた時、ペイアウト倍率が2倍よりも低いのです。
最初の前提であった、「当たる確率が1/2、払い戻し倍率が2倍」という条件ですが、
バイナリーオプションでは(他のギャンブルでも)、業者の手数料分倍率が2倍よりも少ない為成立しません。
当たる確率は1/2ですが、払い戻し倍率が1.75~1.9倍というものが多いです。
払い戻し倍率は高めの1.9倍とします。また、回数=勝つまでの回数です。
バイナリーオプションに当てはめてみる
回数 | 掛け金 | 掛け金累積 | 払い戻し | 収支 |
---|---|---|---|---|
1 | 100円 | 100円 | 190円 | +90円 |
2 | 200円 | 300円 | 380円 | +80円 |
3 | 400円 | 700円 | 760円 | +60円 |
4 | 800円 | 1,500円 | 1,520円 | +20円 |
5 | 1,600円 | 3,100円 | 3,040円 | -60円 |
6 | 3,200円 | 6,300円 | 6,080円 | -220円 |
7 | 6,400円 | 12,700円 | 12,160円 | -540円 |
8 | 12,800円 | 25,500円 | 24,320円 | -1,180円 |
9 | 25,600円 | 51,100円 | 48,640円 | -2,460円 |
10 | 51,200円 | 102,300円 | 98,280円 | -5,020円 |
このように、5回目以降マイナスになってしまうことがわかると思います。
このように、払い戻し倍率が2倍未満の場合は、マーチンゲール法を繰り返すといずれマイナスとなってしまう為、資産がいくらあっても理論上マイナスになってしまうのです。
一度の取引に上限金額が設定されている
そして、そもそも例に出したような1度で100万円を超えるような取引が出来ません。
勝率は1/2ですから100万円を入金して1回勝負!というようなギャンブルを業者が受けるわけにいかないからです。
多いのは上限5万円というものです。
つまり、何回か負けが続くと強制的に大きな負けが確定してしまうのです。 最後は勝つから負けてもいいというのがマーチンゲール法の強みなのでこれでは本末転倒です。
一回までと決めるルールの無意味さ
おあと、注意して欲しいのが「マーチンは一回まで」という一見良さそうなルールです。
確かに、破産するのが怖い法則ですから、1~2回までと回数を決めておけば使いようのある方法なのでは?と思うかもしれません。
しかし、これはインジケーターを販売する人が勝率をごまかす為に設定したインチキルールであるという事を理解しましょう。
例えばマーチンは1回までというルールを決めて取引をするとします。
1回目・・10,000円の取引で負ける
すると、2回目の取引はマーチンの場合は20,000円の取引となります。
しかし、これは例えば100回取引するうちの、35回目と36回目というような取引でしかありません。
2回目に負ければ20,000円の損失が出るだけです。 単純にある回数目の取引の金額が上がるだけなのです。
「負けを次で取り戻す」という意識自体が、為替取引の精神状態として相応しくありません。(ギャンブルでも同じです)
マーチンは1回までと設定する理由は別にあります。
これが、「マーチンは2回まで」というルールの某インジケーターが示す勝率です。
勝率が70%なら多くの利益を上げる事の出来るインジケーターで有料でも購入する価値があります。
しかし、これは
1回目・・負け
2回目・・勝ち
で負けを無かった事にする場合の勝率が設定されています。
しかも、2回の取引をセットとする事で、2回連続で負けても負けを1回として算出した勝率となっていて全くのデタラメです。
勝率を謳ったインジケーターでマーチンという単語が出てきた場合は、勝率の算出方法を疑いましょう。
インジケーターを使っていて負けた場合に、「そこに抵抗はあるのだから」と連続で取引をするという要素はあります。
しかし、その場面で金額を上げて一つ前の負けを取り戻そうとする(マーチン)のは投資法としては間違っています。
ここまでのまとめ
ギャンブルでもバイナリーオプションでも、マーチンゲール法は破産の法則と考えておきましょう。 警告です。