
トレンドラインの引き方の解説ページです。
トレンドラインは人によっても引き方が違いますし、引いても機能するラインと、機能しないラインがあります。
明確な答えは無いけれど、FXではトレンドラインだけで取引をして利益を挙げている方も大勢いますし、綺麗なラインが引けた時は、機能する確率が上がる=勝率も高まるのでバイナリーオプションの攻略としても覚えておく必要はあるでしょう。
皆さんも、今回基本的なトレンドラインの引き方を勉強してみましょう。
MT4でトレンドラインを一度も引いた事の無い方は、先に使い方をお読みください。
MT4の初心者向けバイナリーオプション的使い方・初期設定方法・数値の解説など。
トレンドラインとは
まずトレンドとは、流行という意味が一般的で、上昇か下落、どちらかに動きが出ている状態を指します。
為替や株では傾向という意味合いで使われるとも解説されますが、買いが今は流行、売りが今は流行という考え方はとてもしっくりきます。
というのも、流行りというのは市場が作り出すもので、かつ廃るものです。 その性質が為替の動きと似ているからです。
流行りをいち早く読み取った人が、上昇の流行の始まりを見極めて買い、終わりを見極めて売れば儲かる。 これが取引の本質です。
トレンドの中での買い時や、終わりを見極めるために引くラインがトレンドラインです。
トレンドラインは、レジサポライン(抵抗線・支持線)、また、転換線ともなる。
例えば、上のチャートを例に挙げると、下落トレンドが発生しており、1と2で(高値と高値)線を結んでおきます。
3でいよいよ引いていたライン際で市場の思惑が膨らみ売買が活発になります。
- 下落トレンド中、一時的に高くなった時に売りを仕掛けたいから今が売りのチャンス。
- 下落ラインを割る(反対側に抜ける)と、トレンドが終わり上昇トレンドの反発が始まるので買いのチャンス。
- バイナリーオプション的には、先に「売りの仕掛け」が入るので、抵抗(レジスタンスライン)としてLOW狙いのチャンス。
となります。
つまり、なぜトレンドラインを引くのか? 用途は
- レジサポライン(抵抗線・支持線)として利用
- 転換線(抜けたらトレンドの終わり・逆のトレンドの始まり)として利用
という事になります。
高値と高値を結ぶ、下落トレンド
では、引き方をしっかり学びましょう。
下落相場では、高値と高値を結びます。
上のチャートは、2015年11月25日以降の豪ドル米ドル、1時間足チャートです。
白のラインのように、高値のヒゲ(1)と高値のヒゲ(2)を結んでラインを引きます。
3・・このトレンドラインをレジスタンスラインとして捉え、ローソク足がトレンドライン付近まで上昇してきた時には、売り(Low)でエントリーします。
3・・このトレンドラインをローソク足が上抜けした場合は、下落トレンドの終わりの可能性あり、と捉えます。
上のチャートでは3で綺麗に押し戻されている事が結果として出ています。
このラインの引き方が正しく、トレンドラインが効いていることが分かります。
安値と安値を結ぶ上昇トレンド
上昇相場では、安値と安値を結びます。
上のチャートは、2019年6月5日のポンド/ドル1時間足チャートです。
上の赤いラインのように、安値のヒゲ(1)と安値のヒゲ(2)を結んでラインを引きます。
この水色のトレンドラインを上昇トレンドのサポートラインとして捉え、ローソク足がトレンドラインまで落ちてきた時には、買い(High)でエントリーします。
もし、このトレンドラインをローソク足が下抜けた場合には、上昇トレンドの終わりの可能性あり、と捉えます。
トレンドラインが複数引けてしまう場合
さて、実際に引いてみると単に高値と高値、安値と安値を結ぶ。 これだけでは、
これでいいのか?と迷う時があります。
例えば、最初は1と2の安値を結んでいたが、3で安値が更新された場合。 このケースは安値が更新されたという事でルール上は1と3を結ぶラインに更新されたという考え方が一般的でしょう。
何点かの安値(ヒゲ)を無視すると、綺麗な3点を結ぶ事が出来るという場合は多々あり、こうなってくると何が正しいのか、トレンドラインの引き方は?と改めて悩むと思います。
例えば上の画像の場合は、安値と安値で結んだのは赤のラインですが、黄色のラインも存在するような気がします。
これには明確な答えは無く、
安値に拘らずどんどん発見して取引ポイントを見つける事が攻略のコツだ。何本も引こう。
という考え方も出来ますし、
ルールを決めずに安易に引き始めると機能しないラインが多数出て勝率が悪くなるから引かない。
という考え方も出来ます。
トレンドラインを自動で引いてくれるインジゲーター
自動で引いてくれるインジケーターくらい、誰かが開発しているだろうと思っていろいろ調べて使ってみました。
殆どが、使えないな・・と感じるものでしたが、使えそうなものもいくつかあったのでご紹介します。
00-LineMan_v103
2ちゃんねる発祥のインジケーター。
2ちゃんねるの職人00(ダブルオー)さんが開発したインジケーター
00-LineMan_v103
本人公認ページ こちらでインジケーターをダウンロードできます。
これはかなり使い勝手良いです。
2点良い所があり、例えば1時間足の画面でこのインジケーターを表示させっぱなしにしていたとして、新しくローソク足が追加されるたびに、自動で表示を変えてくれます。
他のトレンドライン自動ツールは片っ端から沢山ラインが引けてしまって使いづらいという面がありましたが、これから攻略するうえで必要な1本だけを選んで表示してくれる一本です。
もう一点面白いのは例えば上記の1時間足で見た時、青い下向きのトレンドラインを右側(つまりラインよりも上)にローソク足が来る事で、アラームが鳴るのです。 つまり、皆が大好きなシグナル(サイン)ツールとも言えるのです。
下落トレンドラインを上に抜けたからこれから上昇トレンドになるというサインを音で示してくれます。これはFX向けの機能ですがバイナリーオプションでも順張り派の方はいますので利用できます。
上の画像の場合、丁度前日安値ラインという壁があって本当かな・・と怪しいのですがサインとしては買いのサインです。(上向きの↑も出ています。)
2ちゃんねらーの日本人が開発したという事もあり、とても親切です。
基本的にはFX用なのでシグナルサインが出る前に、この青い壁に当たったらLOWを狙うというのがバイナリーオプション的な使い方ですが、身軽になって上に行きやすいという事を考えると、サイン後に日本業者のバイナリーオプションで終了時間のラインを見つけてHIGHを狙うのも一つの攻略の手段だと思います。
GhaniFx_Auto Trend Lines
もう一つが、
GhaniFx_Auto Trend Lines
です。 こちらは、先ほどの00-LineManのように1本だけを選んでくれるものではありませんが、最初に紹介した
①高値と高値を結びましょう。
②ローソク足が増えてしっくりこないなと思ったら引き足しましょう。
という基本的な引き方に忠実なのでこれは良いと思いました。
少なからず多からずの生成数なのでこちらも使えるトレンドライン自動生成ツールとして認定してよいでしょう。
相場は3つしかない
相場は、下落相場、上昇相場、レンジ相場の3つしかありません。
ですから、トレンドラインはこの相場の移り目を敏感にキャッチするには有効的な手段だと思われます。
トレンドラインのここが凄い
そんなに、トレンドラインがトレードの役に立つのか?と思っている方もいらっしゃると思いますが、現在はパソコンが普及し、チャートを出せば、色々な分析ツールが使え、大変便利な環境で我々はトレードできています。
以前は、方眼紙にチャートを書いて、ラインを引いて分析していたので、ベテランのディーラ-達は、トレンドラインで分析するのが好きな方が多いと思われます。
今も方眼紙に自分でチャートを書かれている方も大勢います。
それだけ、信用している方も多いということです。
例えば、直近のチャートで、トレンドラインの凄いお話をしますと・・
表⑩ ユーロドル 月足チャート (白:陽線 黒:陰線)
これは、月足のユーロドルのチャートになります。 皆さん、なかなか月足チャートなんて見ていないかもしれません。
先日のECB理事会・その後のドラギ総裁の会見で、大きくやられてしまった方もいらっしゃると思います。それは、プロやヘッジファンドも同じです。
多くのトレードをしている人々が、ユーロドルはパリティー(1.0000)を目指す、つまり大きく大きく下落すると思っていたわけです。
ところが、2000年10月安値と2001年7月安値を結んだトレンドラインは、2002年の下落場面を跳ね返し、その後ユーロドルは上昇相場となりましたが、今年2015年の3月、4月にも下落を跳ね返し、更に先月11月、そして、今回のECB理事会の場面(大幅に下落と思われた)でも見事に跳ね返しているのです。
これを見たら、トレンドラインの凄さがお分かり頂けると思います。
チャネルラインとは
ついでに、チャネルラインについても解説しまう。
よくチャンネルラインと言っている方、あるいは書かれている方を見かけますが、「チャンネル」ではなく、「チャネル」です。
ユーロ円 日足チャート (赤:陽線 青:陰線)
上のチャートはユーロ円のチャートですが、下落トレンドなので、まずは、Aのトレンドラインを引きます。
次にAのラインに平行になるようにEの安値を基準にラインを引きます。これをチャネルラインと言います。
これは安値目途を探る為に引くラインです。その後、Aのラインをブレイクし、Aのトレンドラインがしっくりこないと考え、更にCのラインを引きます。そして、同じようにFのポイントでDのチャネルラインを引きます。 その後、大まかではありますが、DやBのチャネルラインがサポートラインのように、機能しているように見えます。
これによって、チャネルラインのポイントで逆張りを推奨する本なども多く見かけます。
ただし、私はお勧めしません。理由は簡単で、これがレンジ相場であれば、上のレジストラインでも下のサポートラインでも逆張りのトレードは良いと思いますが、トレンドの出ている、言わば強い相場の時にリスクの高い逆張りを試みるのことが、私には理解できないからです。
ですから、私はチャネルラインは引きません。
あくまで、上昇トレンドの時は買い(HIGH)から、下落トレンドの時は売り(LOW)からのエントリーがリスク軽減になると思っています。もしそれでも、逆張りしたい場合は、チャネルラインで逆張りよりも、直近高値や安値、もみ合ったチャートポイントなどでの逆張りのほうが効果的だと思っています。
皆さんもたくさん実際にラインを引いて、トレンドラインを使ってみて下さい。
山手敏郎の
最初はとにかく何本も引いて体で覚えよう
最初はとにかく何本も引くこと。
そして、新しいラインを引き直した場合でも、過去のラインを消さないこと、をアドバイスしています。
2点の高値、2点の安値を結んで、そのトレンドラインに沿う形で上昇あるいは下落する場合もありますが、なかなかしっくりとしたラインが引けない場合は、プロでも何本ものラインを引き直します。
これを繰り返しているうちに、引き方のコツが分かったり、しっくりとしたラインが引けるようになったりします。
上のチャートは、ニュージーランドドル米ドルの日足チャートですが、下落トレンドの場面で、実際にトレードした足跡です。まずは、AとBを結んで白いトレンドラインを引きました。順調に下落トレンドは継続し、Cのポイントで一旦上昇するものの、翌日は窓を開けて下落を再開しました。売りの圧力が強いと感じたため、今度は2本目のライン、BとCを結んで黄色いラインのトレンドラインを引き直しました。
7月半ばから、この通貨ペアは、一旦レンジ相場となり、Eのポイントで、黄色いトレンドラインに跳ね返されるものの、結局、黄色のトレンドラインを上抜け、白いトレンドラインに接近。
この場面でも一旦、Fのポイントで白のトレンドラインに跳ね返され再び下落。ただし、今度は黄色いトレンドラインがサポートするような感じで下落しているのが分かります。その後、再び横ばいを続ける形で白いトレントラインを上抜けDのポイントまで上昇します。
そしてその翌日が皆さん記憶に残っている8月24日の株価暴落、ドル円が116円まで3円一気に下落した日です。
ここで再びAとDを結んで水色のトレンドラインを引きます。9月半ばにはGのポイントで一度水色のトレンドライン接近するものの、再び下落。しかしその後、再び横ばい推移を続ける形で、水色のトレンドラインを上抜け、直近高値Gの水準を上抜け(ピンクのライン)、下落トレンドが終わり、ニュージーランドドル米ドルは上昇していくことになります。
このような感じで、トレンドが続いている限り、何本でもトレンドラインを引いてみて、トレードに役立てて下さい。