先週も上昇のドル円相場、いよいよ125円台に!

先週のドル円 (06月01日 ~06月05日)
ドル円 始値 124.11 高値 125.85 安値123.75 終値125.58 値幅:2円10銭
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表①:ドル円 日足チャート(赤:陽線 青:陰線)

先週もドル円は上昇しました。2日火曜日に125円の心理的大台を東京時間に瞬間的につけ、ちょっと嫌だな~と思っていたら、その後一旦の達成感から利益確定の売りに圧されましたが、水・木と気迷いの十字足のローソク足を形成し、移動平均線5日線(紫のライン)上で耐え、金曜日の米国雇用統計の結果をきっかけに、上値を切り上げ、126円接近まで上昇し先週を終えました。上昇トレンド継続中です。
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表②:ドル円 週足チャート(赤:陽線 青:陰線)

週足を見ると、移動平均線20週線(緑のライン)も上向きになってきました。また、MACDもゴールデンクロスを形成しはじめています。
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表③:ドルインデックス 日足チャート(赤:陽線 緑:陰線)

ドルインデックは98のラインが抵抗線となって、ドルの上昇を阻んでいて、一時94を割り込む場面もありました。
先週も、ドルの力だけでドル円が上昇したのではなく、円売りの力もドル円上昇に繋がっていることが分かります。
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表④:ドイツ10年債利回り 日足チャート(赤:陽線 緑:陰線)

また、先週注目すべきは、再びドイツ国債利回りが上昇を始めたことです。一時1%に近づく場面もあり、ユーロドル上昇の一因にもなっています。また、裏を返せば、利回りが上昇しているということは、価格が下がっているということですので、単純に考えれば損をしている人がいるということなので、この辺りのニュースが出てくると、ちょっとリスク回避ムードになる可能性もあるので、一応頭に入れておきましょう。また、損失確定により、更に金利が上昇する可能性もあるかもしれません。そうすると更なるユーロドル上昇も想定しておく必要があります。

米国雇用統計好結果で久しぶりに1円上昇のドル円

相場振り返り 2015年6月01日~6月05日

ドル円は125円の大台にタッチし、その後一旦の利益確定で調整局面になるかと思いきや、米国雇用統計の結果をきっかけに再度上昇し、126円に迫る勢いで上昇しまし、下値もしっかり切り上がってきた1週間でした。
それでは先週1週間を振り返ってみましょう。

2015年6月1日 月曜日 ドル円はISM製造業の結果を好感し、月曜日から高値取りの展開

6月1日月曜日はオセアニア市場で前営業日高値124円18銭を上抜け124円20銭をつけました。早朝からユーロドルが下落するなど、ドル買いが目立ちました。
東京市場がオープンすると、前週のNYダウの100ドルを超えるマイナスを引き継ぐように、日経平均株価も118.61円安の20444.54円でスタートしました。その後日経平均はマイナス幅を広げるものの、ドル円はユーロドルの下落に引きずられ、ドルが買われ、一時ドル円は124円34銭まで上昇しました。その後はファンドによる売りに圧され一時124円02銭まで下落しましたが、124円はしっかりとサポートされました。日経平均が日銀にこの日も支えられ、結局終わってみればプラス圏を回復し、12連続営業日プラスということも、ドル円が下げ渋った要因と考えられます。
欧州市場に入り、ユーロドルの下落が再開し、ドル円は124円23銭まで上昇しましたが、今度はユーロ円の影響を受けドル円は再び下落、そして21:30発表の米国4月PCEコアデフレータが予想よりも弱かったことで、124円を割り込み、123円87銭まで下落しました。その後23:00発表の米国ISM製造業景気指数が予想を上回ったことで、今度はドル円の買い戻しの展開となり、前週高値の124円45銭を上抜け124円52銭まで上昇、さらに買いは継続し124円91銭まで上昇しました。その後も上抜けをトライするものの、125円は大きな節目でもあるために上昇は拒まれ高値圏でもみ合いのまま、124円81銭でこの日を終えました。

2015年6月2日 火曜日 ドル円は125円を瞬間的につけるものの、その後は123円台まで下落。

2日火曜日の東京市場は、寄付き前に前日高値124円91銭と面合わせ(同水準)するものの、上抜けすることは出来ず、東京市場オープン後も124円70銭台~80銭台の高値圏でもみ合いとなりましたが、クロス円が全般に買われ始めると、前日高値を突破し勢いがつき心理的節目を突破、125円04銭を瞬間的につけました。ただ心理的大台(120とか125など)を突破したため、その後は利益確定売りに圧されました。また12日連続続いた日経平均株価の上昇もオープン直後はプラスで始まったもののマイナス圏に沈んだことで、ドル円の頭も重くなり、また豪ドルドルの上昇も、ドル円の戻りを鈍くさせ、東京市場引けにかけて一時124円52銭まで下落しました。
欧州市場に入ると、ユーロドルの上昇の影響を受け、更にドル円は下落し124円42銭まで下落しましたが、ユーロクロスの上昇でユーロ円上昇、更に米国債金利上昇や日経平均先物の上昇により一時124円82銭まで回復しました。その後、ウォール・ストリート・ジャーナルが、「ギリシャの国際債権団はギリシャ政府が提示する案に合意するだろう」との報道でユーロドルが急伸し、ドルが売られる展開、更にCNBCから米航空機に対して複数の爆弾の脅迫との報道から、リスク回避の円買いでドル円は下落し、124円06銭まで下落、23:00発表の4月米製造業新規受注も予想を下回り、124円を割り込み123円75銭まで一時下落しました。ドル円は頭の重い展開となり、123円80銭台~124円00台で推移を続けこの日の取引を終えています。
いつものことですが、東京時間に大台をつけると、ろくなことはないですね。

2015年6月3日 水曜日  ドル円は124円を挟み、上下に行って来いの1日

3日水曜日の東京市場は、寄付き前に123円97銭まで下落。ただ東京市場がオープンすると一旦124円23銭まで買い戻されましたが、10:30発表の豪州GDPが予想を上回り、豪ドルドルの上昇に圧され、ドル円は再び124円を割れ123円台に入り、123円87銭まで下押ししました。その後123円80銭台~124円00銭台でもみ合いましたが、東京市場引けにかけて全般的なドル売りの流れとなり、ドル円は123円79銭まで下落し、この日の安値圏で東京市場を終えました。
欧州市場に移ると、ユーロドルの下落につられ、ドル円は徐々に買戻しの展開となり、ポンドドルやNZドル米ドルの下落の影響も受け、ドル円は124円49銭まで上昇しました。更に21:15発表の米国ADP全米雇用報告、21:30の米国貿易収支の結果を受けて124円67銭まで上昇。その後、ドラギ総裁の定例記者会見で「ユーロ圏の回復は軌道に乗っている」「現時点ではQEを拡大する必要はないとみている」などが伝わるとユーロドルが買い戻され、ドル円は下落の展開となり、23:00発表のISM非製造業指数も予想を下回ったことから123円99銭まで下落しました。その後は米国債金利の上昇を材料に買い戻され124円42銭まで上昇し、124円20銭台~124円40銭台でのもみ合いでこの日を終了しました。

2015年6月4日 木曜日  この日のドル円も行って来いの展開。上値が重く、下値も堅い。

4日木曜日は、オセアニア市場から、じわじわとドル円が上昇し、東京市場がオープンし、日経平均のプラス圏での推移を背景にドル円は124円40銭まで上昇、10:30発表の豪州小売売上高の弱い結果を受けて、豪ドルドルが下落し、ドル円は124円57銭まで上昇しました。その後、ユーロドルの上昇や、中国から新興市場の信用買い受付の停止のニュースを受け、中国株が大幅安、日経平均が失速したため、一時円買い時合となり124円26銭まで下落し、この日の安値圏で東京市場を終えました。
欧州時間に入り、原田日銀審議委員から「過度の円高は是正された」とのコメントを受け一時的にドル円は123円98銭まで売り込まれましたが、この水準ではしっかりと下値が拾われ時間外米国債利回りの上昇を材料に124円42銭まで上昇。その後前日に引き続きユーロドルの買いが再開し、ドル円は再び下落し、124円を割り込み、123円77銭まで下落しました。ただ2日の安値123円75銭がサポートとなり買い戻され、124円を挟んでもみ合いの展開に。21:30発表の米国新規失業保険申請件数が予想よりも強い結果となりドル円は上昇、更に独国債利回り低下によるユーロドル失速も伴い、124円50銭まで上昇しました。
その後IMFから「ドルはやや過大評価されており、米成長と雇用を抑制している」「FOMCは2016年前半まで初回利上げの先送りを」「2015年米成長見通しを3.1%から2.5%に、2016年の見通しを3.1%から3.0%に下方修正」との見解を示したことで、ドル円上昇は一服しましたが、再び上昇を始め前日高値124円67銭に面合わせはしましたが、上抜けすることはできず失速。124円36銭でこの日の取引を終えました。

2015年6月5日 金曜日  米国雇用統計予想より強く、高値更新

5日金曜日の東京市場は、日経平均株価が小幅安でスタートしました。前日NYダウが大きく下落し、心理的節目の18,000ドルを割ってきたので、東京も大きく下げるのかな、と思いましたが下げ渋る展開。ドル円はゴトー日ということもあり124円57銭まで一旦上昇しましたが、その後は、週末と米国雇用統計の発表を控え、動きにくい展開となり、124円40銭台~50銭台で推移のまま東京市場を終えました。
欧州市場に移り、米国債金利上昇をきっかけに再びドル円は上昇を始め、前日高値の124円67銭を上抜け、その後は、じり高推移で124円60銭台~80銭台でメインイベントの米国雇用統計を迎えることになりました。
雇用統計の結果は予想よりも強く、ドル円は124円65銭から125円64銭まで急騰し、その後も高値付近でもみ合いながら上昇を続け125円85銭まで上昇し、その後は利益確定売りに圧され125円37銭まで値を下げましたが、その後は週末ということもあり125円40銭台~60銭台で推移し、125円58銭で先週を終えました。

*先週の日銀買入結果 http://www3.boj.or.jp/market/jp/menu_etf.htm
01日(月)ETF361億円
03日(水)ETF370億円
04日(木)J-REIT 13億円
05日(金)ETF370億円 J-REIT13億円

今週は株価に注意!日経平均株価は、どこまで御上が支えられるのか?

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表①:ドル円 日足チャート(赤:陽線 青:陰線)

現在、ドル円のチャートは、月足→↑週足↑日足↑と言った感じです。チャート的には今週は横ばいから上昇が考えられます。米国雇用統計の発表が終わり、今週はビッグイベントがないので株価が材料になる時合が多くなると思われます。先週のレポートでも書きましたが、世界的に株価が冴えません。唯一、日本だけが高値付近で横ばい推移を続けています。ただ、皆さんお分かりの通り、下落しようとすると本邦御上が拾ってくるので下がらない、拾ってくるので、下がったところは買うしかない状態となっています。先週は、特にそれが顕著だったと思います。
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表⑤:NYダウ 日足チャート(赤:陽線 緑:陰線)

NYダウは下落基調になっていますね。5月6日の17,733ドルを抜けると、リスクオフムードになるかもしれませんのでドル円下落に繋がる可能性があると思っています。
また、今週はメジャーSQの週ですので、日経平均が大きく上下する可能性があるので、日経平均が大きく下げれば、ドル円も連動すると思われますので、特に東京時間取引される方は注意が必要です。もちろん、日銀を筆頭に買い支えが出てくると思われますが、大きく下がれば大きく買って支えるわけではないので、どこまで日経平均が売り込まれ調整するのかを気にしています。

また、最近、介入についての記事をちらほら見かけるようになりましたが、日本サイドから円買いドル売り介入は現段階ではあり得ませんので心配なされないで下さい。
ただ、スピードづいた上昇局面での、口先介入は今後もあり得ますので、こちらは注意が必要です。

●投機筋のドル円ポジションは、前週比較で、更に買いが増加しています。

●個人投資家のオーダー状況は先週を終えた時点では、まずオーダーが売りも買いも減少しています。一旦様子見といったところでしょうか。数的には売り買い交錯です。売りオーダーは金曜日高値の125円80銭台からやや多めです。買いのオーダーは125円10銭台がやや多めです。損切り買いは126円台がやや多めです。

今週は11日発表の米国小売売上高に注目!

今週の注目経済指標 2015年6月08日~6月12日

今週注目している経済指標は、月曜日の本邦4月経常収支・貿易収支・第1四半期GDP二次速報、米国5月米労働市場情勢指数、木曜日のニュージーランド準備銀行政策金利発表、米国小売売上高、金曜日の6月ミシガン大消費者信頼感指数速報値で、その中でも米国小売売上高に特に注目しています。

以下は、ドル円相場を動かす可能性がある指標発表・イベントです。
08日(月)
オーストラリア休場
08:50 (日)  4月経常収支・貿易収支・第1四半期GDP二次速報
15:00(独) 4月鉱工業生産
17:00(欧) コンスタンシオECB副総裁による講演
17:00(欧) ノボトニー オーストリア中銀総裁による講演
23:00(米) 5月米労働市場情勢指数(LMCI)
未定 (中) 5月中国貿易収支
7日・8日 G7首脳会議

09日(火)
10:30 (中) 5月消費者物価指数
18:00(欧) 第1四半期GDP改定値

10日(水)
08:50 (日) 4月機械受注
11:50 (豪) スティーブンスRBA総裁による講演
17:30(英) 4月鉱工業生産
26:00(米) 10年債 入札

11日(木)
06:00(NZ) ニュージーランド準備銀行 政策金利発表
06:00(NZ) ウィーラーRBNZ総裁による記者会見
10:30(豪) 5月雇用統計
14:30(中) 5月鉱工業生産
21:30(米) 週次新規失業保険申請件数・5月小売売上高

12日(金)
18:00(欧) 4月鉱工業生産
21:30(米) 5月生産者物価指数
23:00(米) 6月ミシガン大消費者信頼感指数速報値

その他、以下の点にもご注意ください。
・本邦要人円安牽制発言
・原油価格
・株価急落
・ドイツ10年債利回り
・ギリシャ問題の動向

NY市場でその日の最安値をつけた場合、翌日はその水準からHIGH狙い

-今週のトレードアイデア
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表⑥:ドル円 30分足チャート(赤:陽線 青:陰線)

先週は、ニューヨーク市場で1日の最安値をつけたのが6月2日の1回だけでしたが、このNY市場でつけた最安値は、他の市場でつけた最安値と違い、サポートの役割がとても強い傾向があります。

上のチャートは6月2日のNY市場から翌日3日の欧州市場にかけてのチャートですが、2日のNY市場で123円75銭をつけて、翌日の14時~16時に掛けて再度下落し下値を何度か伺っていますが、跳ね返されています。

個人的な見解としては、NY市場でつけた最安値水準に、本邦御上が翌日オーダーを入れてくると考えていて、オーバーシュートで下ひげ部分は安値を更新するケースもありますが、戻ってくることが多いので、おそらく大きな買い物があるポイントだと思っています。(もちろん、悪材料で下落トレンド形成中の場合は別ですが・・)ここ2週間はドル円上昇と、NY市場での米国経済指標が好結果のケースが多く、NY時間に最安値をつけることが少なくなっていますが、もし、このケースがあれば、検証したり、参考にしてみてください。

○チャートポイント
ドル円
先週終値 124.12銭

127円00銭(心理的節目)
126円50銭(心理的節目)
126円18銭
126円00銭(心理的節目)
125円88銭(2002年6月高値)
125円85銭(5日高値)
↑上(レジスタンス)のポイント
●125円58銭先週終値
↓下(サポート)のポイント
125円50銭(心理的節目)
125円00銭(心理的節目)
124円67銭
124円50銭(心理的節目)
124円34銭(5日安値)
124円00銭(心理的節目)
123円75銭(先週安値)
ここを終値で下回った場合、一旦様子見とします。

今週も頑張りましょう!